先日投稿した里親不調に関する記事について。引用元の報道記事についてもうひとつ引っかかったところがあたので補足です。
"虐待で傷つき、不安定になる子どもが多いことなどが背景にあるとみられる"
こうした背景も確かにあると思う。一方で不調が専ら虐待を受けた子どもの側の問題が原因みたいにミスリードされないかが心配。虐待を受けた子どもへの妙な誤解や偏見につながららないか。
里親不調は子どもの側の障害や発達上の特性、後天的な疾患などからくる育てにくさ(「問題行動」と言われたりもするもの)も要因としてあげられるとは思う。
でもそれだけではなく里親側の子育て観や養育環境、あるいはそうした養育環境を取り巻く地域や社会環境、その他外在的要因等が複雑に影響する中で生じる。
それは一般家庭で養育困難や虐待が生じる構造と変わらない。
だからこそ里親養育支援が大事なんだけれど、これもそんなに単純な問題ではない。里親養育支援が実親家庭やステップファミリーのそれと比較して様々な要因が影響しあうためより難しいことはあまり語られない。
なのに里親や里親養育支援に魔法の杖的なものを期待されているようにも感じられてそこに違和感もある。
皮肉なことに家庭養育推進や里親養育支援の必要性を強調することがかえって里親養育や里親養育支援を困難にさせてしまっている面も否めないと思う。
私達は無意識にスペシャルな里親"家庭"像を期待し追い求めすぎてはいないか。そうした危うさを子ども”家庭”庁の名称変更の経緯の中にも感じてしまう。