里親委託された子どもの2割が不調を原因に解除とされている問題に関して

これも難しい問題。明るみになっているもので2割。一般家庭同様潜在化しやすいことを考えれば潜在的にはもっとあると見られる。
アフターケア現場で接する若者の中には里親家庭でつらい経験をしていて、かつ閉鎖的環境ゆえに相談もできず耐え続けてきたというという声も少なからず聞く。
家庭養育推進派の方々がこの辺りの実態については触れようとしなかったり、すぐに例外化しようとすることは問題だと思っている。
もちろんだから里親がだめというわけではなくて、相性やマッチングの問題もあるし、より一層の里親養育支援の充実が求められるのだけれど。
里親養育支援も言うは易く行うは難しで実際には様々な要因から一般家庭の養育支援以上の難しさを抱えていて支援機関を設ければ解決するような簡単な問題ではない。
そもそも、子どもの中には家庭を想起させるような環境それ自体がNGという子もいて、家庭を感じさせない程度の雰囲気、距離感の環境の方が安心という子もいる。
結局はその子ひとりひとりに適した養育環境とサポートを考えていくしかない。でもそこまできめ細かいアセスメントや環境調整ができるだけの人員も社会資源もないし…難しい。
こども家庭庁問題で、家庭とは血縁家族だけでなく社会的養護も含むから家庭を名称につけることは虐待等の家庭を経験した人にもきちんと配慮しており問題ないという見解をみかける。
けれど、名称変更に異を唱えている当事者の方々はそんなことはわかった上で実際に社会的養護の中で虐待を経験したからこそ異を唱えている。そのあたりどれくらいわかっているのだろう。