【動画】たすけあいch【専門家トーク 社会的養護と弁護士との接点を知る】

社会的養護経験者でモデルの田中れいかさんの運営する社会的養護専門YouTubeチャンネル「たすけあいch」でインタビューして頂きました。テーマは「社会的養護と弁護士の接点」。
 
社会的養護の子ども・若者がどういった場合に弁護士を頼ったほうがよいのか、実際に弁護士に頼ったり、あるいは支援者が弁護士相談につなぐときにどういうことに気をつけたらいいかを中心にお話ししています。
日頃、児童養護施設や里親家庭、児童自立支援施設、自立援助ホーム、子どもシェルター等に措置中のお子さんの相談や、措置解除後の相談をたくさん受けています。去年はコロナの影響もあってか相談もかなり増えて法律相談だけでも100件以上の相談がありました。
相談の内容は様々ですが社会的養護あるあるな親御さんや親権に関する相談を除けば、全体的な相談傾向は一般的な同年代の法律相談内容とあまり変わらず、借金や労働問題、あとは男女関係の問題等が多いです。
社会的養護の子ども・若者特有の事情として強いてあげるならその生い立ちや家族関係の複雑さや施設経験等の説明の難しさかなと思います。このあたりを一から細かく説明しなければいけないのがただでさえ高い弁護士の相談ハードルをより高くしてしまっていると思います。このあたりを説明しなくてもある程度わかってもらえる前提があると相談しやすいのかなと。これは細かな事情の説明をしなくてよいのが相談のしやすさにつながるというのは風テラスの相談なんかにも通じることですね。
こうした相談のしづらさに加えて、社会的養護の子ども・若者は後ろ盾の脆弱さから法律問題だけでなく生活上のサポートが必要な状態にあることがあります。でも普通の弁護士は生活上のサポートまではできません。なので動画でも指摘しているように出身施設の職員さんや里親さん等から相談つないでいただいたり、法律面と生活面のサポートを連携していくことが重要になります。なかには出身施設や里親さんには生活で困っている姿をあえてみせたくないという子ども・若者もいるので、施設や里親さん以外にアフターケア事業所や地域の生活困窮者支援の事業所等の相談経路の確保と連携、役割分担も重要になってきます。
例年、新年度を迎えて1〜2ヶ月経過したくらいで、新生活の疲れが出てきて調子を崩したり、トラブルに見舞われたりして相談につながることがあります。それでなくても今年は緊急事態宣言等の影響も色濃く出ていますので、是非、今困っている、あるいはこれから困りそうな社会的養護の子ども・若者やその支援者の人たちに届くよう拡散して頂けたらと思います。