雑感

一時保護を経験した若者と職員さん達の再会と語りの会

仲間たちと密かに準備をしてきた児童相談所の一時保護所をより良い場所にするための会。その記念すべき第一回目が開催。 保護所の改善のため現場で尽力されてきた職員の方々の想いを聴く。そして実際にそうした保護所で生活をした経験のあるOB、OGの若者達の…

子どものための支援機関、支援制度はたくさんあるけれど…

児相、市町村の家児相、児童家庭支援センター、SSW…と実は子どもを専門とした相談支援、ソーシャルワークを担う機関はたくさん存在しています。それぞれの役割も法律や指針では同じようなことが書いていていまいち違いもよくわからない。 ここに自治体独自の…

独立型アドボカシーとして訪問アドボカシー活動をすればするほど感じるのは自分は親として自分のこどもの声をちゃんと聴けているのか不安になるという話

独立型アドボカシーとして訪問アドボカシー活動をすればするほど感じるのは自分は親として自分のこどもの声をちゃんと聴けているのだろうかという葛藤。 こどもが育ってきて色々と気持ちを表明してくれるようになったこともあり「今日もお仕事行くの?」「今…

子どもの権利が思いやりや共感ではいけない理由

人権は思いやりではない。人権はむしろどんなに思いやれない相手であってもその人を人として尊ぶこと、その人の人権を否定しないということ。 そしてここいう人権には適正手続保障が含まれる。思いやれない悪いやつだから適正手続無視して何されても仕方ない…

若者支援や社会的養護のアフターケアで感じる偏見・差別意識

若者支援やアフターケア関係で記者さんや議員さんから取材やヒアリングを受けていて感じるのだけれど、世間的には支援が必要な若者は施設で生活をするという思い込みというか偏見が強い(地域で単身で生活するというイメージが薄い?)のではないか。 生活に…

「娘への手術、面会禁止された父親の同意なしは違法」という判決報道についての雑感

医療同意と親権、インフォームドコンセントに関して考えさせられる裁判例。前提として判決文等を見たわけでもないのでこの事案事態の解決としての妥当性等はなんともいえませんが、ただ、判決内容だけが独り歩きして医療実務に影響していくことを危惧します…

豊島区の若者支援団体サンカクシャさんを訪問してきました

本日は豊島区で若者のための取組をされているサンカクシャの拠点事務所に初訪問。 代表の荒井さんとは元々知り合いで法人立ち上げの頃から色々お話する機会はあったものの肝心の拠点事務所に行く機会がなく本日が初訪問。若者心をくすぐる仕掛け満載なステキ…

グループスーパービジョンを受けてきました

認定社会福祉士取得要件でもあるGSVのため久々に母校の社会事業大学に通学。 社会福祉士、精神保健福祉士と弁護士のトリプルライセンスという変わった専門性なうえに、勤め先の福祉現場でもひとり専門職状態なためなかなか自分の実践を振り返りSVを受ける機…

子どもの自由意思をどのように考えるべきだろう

子どものアドボカシーを考えるうえでそもそもの子どもの自由意思をどのように考えるべきかというのが僕がずっと持ち続けている問い。 これは子どもの本音じゃない。これは他者の影響を受けたものだ。これこそが子どもの純粋の意思だ。援助の現場ではそんなこ…

「自分はその領域について専門性がないからやれない」という言葉へのモヤモヤ

「自分はその領域について専門性がないからやれない」 しばしばソーシャルワーカーや弁護士等の権利擁護の専門職から聴く言葉。 良く言えば専門性への真摯さ謙虚さの現れと言えるかもしれないけれど、悪く言えば専門性を言い訳にして線を引き他人事にしよう…

『弁護士が受けた100万回の殺害予告ー突然訪れる危機を回避する方法ー』を受講しました

ネットを悪用した業務妨害被害を受けた弁護士の唐澤先生と不当大量懲戒請求被害の北先生が講師の弁護士ドットコムセミナーを受講しました。 kiwi250r.hatenablog.com 昨年同じく業務妨害被害を受けた身としては共感する内容ばかりであり、また自分自身の被害…

社会運動団体内での性暴力やハラスメント問題等について

尊敬する社会活動家である稲葉剛さんの投稿。社会運動団体内で発生する性暴力やハラスメント被害やそれについて社会運動団体内で関係者が沈黙してしまう現状に警鐘を鳴らす内容で大変共感します。 inabatsuyoshi.net 対外的には良いことをしているとされる社…

里親委託された子どもの2割が不調を原因に解除とされている問題に関して(補足)

先日投稿した里親不調に関する記事について。引用元の報道記事についてもうひとつ引っかかったところがあたので補足です。 kiwi250r.hatenablog.com "虐待で傷つき、不安定になる子どもが多いことなどが背景にあるとみられる" こうした背景も確かにあると思…

里親委託された子どもの2割が不調を原因に解除とされている問題に関して

これも難しい問題。明るみになっているもので2割。一般家庭同様潜在化しやすいことを考えれば潜在的にはもっとあると見られる。 アフターケア現場で接する若者の中には里親家庭でつらい経験をしていて、かつ閉鎖的環境ゆえに相談もできず耐え続けてきたとい…

専門職大学院での実践研究報告会を終えて

専門職大学院での最終実践研究報告会終了。これで大学院での行事は修了式を除いてすべて終了となります。 コロナ禍の影響で結局キャンパスに通ったのは一度だけだったりして、本来なら対面での濃密な時間が過ごせなかったのは心残りですがそれでもとても学び…

インハウスロイヤーとしてのモヤモヤ

インハウスロイヤー(企業内弁護士)に関する記事。 僕も現在は半分はインハウスとして働いているので共感する。 ライフスタイルとの兼ね合いでも実は在野の弁護士としての働き方よりもインハウスのほうがあわせやすい部分があるようにも思う。 "自らが企業…

たとえ理解し難いことであっても

『マジョリティからみて不快に感じるおそれがある』という理由が当然のように権利を制約する根拠として捉えられているように感じられて怖いなぁと思う。 悲しいことに最近では弁護士でもこういうことを平気で言う人をみかける。少数者の人権保障の観点はどこ…

オタクな子ども・若者の声を聴くということ

*1 / 8px; background-color: var(--surface-background); box-sizing: border-box; width: 590px; box-shadow: 0 1px 2px var(--shadow-2); font-family: inherit;"> 僕がアフターケア等で関わる若者にはどういうわけか男女問わずオタク率が高い。なんとな…

大学院授業 社会的養護実践論 最終回

大学院の授業。社会的養護実践論最終回。ケアワーカーが原点でもある僕としてもケアの中心を担う社会的養護の実情は毎回とても興味深いものでした。これまでにも長い歴史の中で色々な人達の想いやときには悲しい出来事等が積み重ねられて制度が形作られてい…

今の子どもたちの声とかつて子どもだった人たちの声

子どものためと言って活動する人たちの場にはいつも子どもがいないことの気持ち悪さ。 子どもがいるのは頑張る子、可哀想な子、弱い子等な支援対象としてラベリングされた鳥籠の中。 その鳥籠の中に収まろうとしない子ども達は問題のある子扱いされるか、自…

ステップファミリーの支援について考える

社事大の「ステップファミリー」に関するリカレント特別講座を受講。 定型家族像を基準に良し悪しを判断されたり押し付けられてしまう当事者のしんどさや、そうは言ってもついつい定型家族像を望ましい形としたうえで支援を考えてしまうよねとか、養育支援者…

子どもの意向…支援者の意向…

援助者の意向しか見えない支援会議では「子どもの意向は?」と問い、子どもの意向しか見えない支援会議では「援助者の意向は?」と問う日々。子どもの意向と援助者の意向、どちらも欠けちゃだめ。両方ちゃんと反映されている支援会議はとても活き活きとして…

スーパーマンと多職種連携

専門職大学院の後期授業が開始。本日は『IPW』という多職種連携に関する授業。多職種連携はアフターケアや地域福祉に並んで昔から探求してきたテーマでもあります。 連携という言葉はあちこちでよく聞くワードですが、実際にはなかなかうまくいかないという…

福祉のスペシャルな実践へのモヤモヤ

機関や専門職、制度が本来的・標準的に担保している機能や役割と一部のスペシャルな実践の中で実現している機能や役割はちゃんと区別しておかないと怖いなぁと感じる。 いわゆる「困難ケース」(この呼び方は好きじゃないけどあえて使う)に多職種多機関連携…

生活保護と自立について思うこと

話題の生活保護に関する著名人の発言について発言をなされたご本人も謝罪を述べられているそうなので重ねて特に言及はしません。そのうえでいくつか思ったことを。 生活保護の意義を擁護するときに『生活保護を受けていても働いている人もいる』『それまで税…

千葉県地域再犯推進モデル事業更生支援推進協議会を終えて

委員を務めさせて頂きました千葉県地域再犯防止推進モデル事業(法務省受託事業)の更生支援推進協議会が本日で最終日。 刑余者の社会復帰支援や司法福祉連携の必要性が説かれるようになり徐々にではありますがその理解も広がってきていると思います。ですが…

千葉県地域再犯推進モデル事業更生支援推進協議会を終えて

委員を務めさせて頂きました千葉県地域再犯防止推進モデル事業(法務省受託事業)の更生支援推進協議会が本日で最終日。 刑余者の社会復帰支援や司法福祉連携の必要性が説かれるようになり徐々にではありますがその理解も広がってきていると思います。ですが…

無理をして声をあげなくてもいい

">『声をあげるべき』という機運、同調圧力みたいなものがしんどい。声をあげられるのが優れているだとか正義であるなんてことはない。無理をしてまで声をあげなくてもいいというのが僕の考え。 ">声をあげられる人とあげられない人との間には相当の隔たりが…

児童養護施設施設長の刺殺事件から2年経ち思うこと

児童養護施設施設長の刺殺事件から2年。 アフターケアに従事する立場としては直近で起きた野田の事件と同じくらい、あるいはそれ以上に衝撃を受けた事件。アフターケアとは何なのか、その本質やひとりの人にできることの限界について改めて考えさせられた。 …

専門職大学院1年目のカリキュラムを終えて

専門職大学院の今年度修了の研究生の方々の研究報告会だん。結局、今年度のカリキュラムはすべてオンラインで行われ一度もリアルに顔を合わせる機会がないまま今年度が終わろうとしているのはやはりどこか寂しい。 ソーシャルワーカー養成の大学院だからこそ…