児童福祉法の支援対象「18歳上限」撤廃のニュースについての雑感

児童福祉法上の支援の上限年齢が撤廃される方針というニュース。
年齢で区切ることなく継続支援の必要性で考えてほしいというのは、これまでにも多くの社会的養育経験者が指摘されてきたことであり、
私もアフターケアの立場からロビイング等で繰り返しお伝えしてきたことでした。そうした立場からするとほんと待望の改正。
児童相談所等の現場でも18歳で支援が途切れてしまういことにやるせなさを感じていた方にとっても救いになるのでは。
その一方で、今後は継続支援の必要性とは何か、そして継続支援のための手段の多様性がより求められるようになるでしょう。
居住費や進学費の援助が出ることはもちろんありがたいですがそれが継続支援の本質なのか。自立支援とは、アフターケアとは何なのか。
施設や里親家庭に住み続け継続的に支援する形、援助ホーム等へステップアップしていく形、早期のひとり暮らしを始めたうえでそれを地域で支えていく形、
継続支援といってもそのニーズやあり方は多種多様です。特定のやりかたに限定されてしまうのではなく、その子どもやその地域にあった多様なやりかたが望ましいです。
制度上可能だからといって実際何をどこまでできるのかもよく考える必要があります。
現状でも18歳前後の高齢児支援は盤石とは言い難いのにどの年齢まで実際上支援が可能なのか。
児童福祉がただ惰性的に抱え込み続ける期間が延びるようではだめで、本人のトライアンドエラーを支えつつ他に委ねていくための期間にしていかなければいけない。
当然、児童福祉だけでできることではないので他の福祉やそれ以外の領域とも重なったソーシャルワークが必要。
また、制度ができても予算が伴わなければ絵に描いた餅です。厚労省の事務局案では現状補助事業扱いの社会的養護自立支援事業を法定事業である児童自立生活援助事業に統合したうえで、
事業内容の充実や地域格差の解消を目指す予定のようですが、今後どのような制度設計になるのかは注視し続ける必要があります。
夢は広がるけれど現場での課題は山積み。こうした動きも見越してアフターケア事業所やアフターケアネットワークの取組を引き続き頑張って行きたいと思います。