珍しく弁護士としてのお仕事の話。関わっている子どもの氏の変更に関する審判で認容決定を頂きました。その子は幼少期から自身を虐待し人生を翻弄し続けてきた親と同じ氏を名乗り続けながら自立していくことに悩みを抱え氏の変更を希望するようになったのですが、本人の希望通りに氏の変更が認められました。
ハイティーンの子ども・若者と関わっていると『親子の縁を切りたい…。』そんな相談を受けることが少なくないです。そう思うようになる背景は様々で一概にその是非を語れないし、実際問題法律上親子の縁を切ることもできません。縁を切りたいと言いつつも気持ちのうえでは人一倍親子の縁を求めているようなこともある。なので、こうした相談を受けるときに弁護士としてどう向き合い何をどこまでするかは非常に悩みます。ここがソーシャルワーカーと異なり一定の成果・解決を期待される弁護士の辛いところ。
日頃、子どもとの関わりにおいて弁護士の肩書が邪魔に感じることのほうが圧倒的には多いですが珍しくこの肩書が役に立ったなと感じた一幕でした。
※なお一般的に親との関係に悩む子どもに対して氏の変更を推奨する意図はありません。その子どもにとってその手段が適当なのかはケースバイケースですし、またハードルの高い手続であることに変わりもないのでやはり手続選択は慎重に行うべきものだとは思っています。一方で同様の悩みを抱える子ども・若者の一助になればという本人の希望もあったので限定公開でご報告させて頂きました。