自立しなくても良いんじゃない?

矢嶋桃子さんの社会的養護のアフターケアに関する記事。
アフターケアの現場で感じる葛藤や世の中の動きや制度との矛盾についてとても丁寧にまとめられています。
「自立支援」という言葉へのモヤモヤは僕もよく感じる。
以前の虐待防止学会のシンポジウムでも指摘があったけれどなんで社会的養護の子ども達ばかりがこんなにも自立を迫られなければいけないのかという疑問。
しかも本来は手厚いケアが必要にも関わらず課題が複雑さゆえに支援の枠組からもこぼれやすいような子ども程早期の自立が助長されやすい構造。
高年齢児童の場合には保護されてすぐに住み込み就職による自立支援までへのレールが自然と組み立てられていくことへの違和感。
自立に向けて頑張れという支援はたくさんあるけれど、頑張らなくても良いよといえる支援の少なさ。そして最後はあなたが望んだことなのだからと自己責任が問われる。
「自立したい」という子どもと面談するときには
その子の「自立」という言葉にこめられた想いはどういったものなのか
その「自立」という言葉は本当にその子の言葉なのか
周辺の支援者等はその子にどのような影響を与えているのか
そんなことに想いを馳せながら面談を行う。
そしてダメな大人の僕は「自立しなくても良いんじゃない?」という選択肢を伝える。

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