少年法適用年齢引き下げについて考えるシンポジウム@千葉県弁護士会

少年法対象年齢引下げに関するシンポジウムに参加してきました。弁護士、研究者、協力雇用主、議員さんといった様々な立場による多角的な意見、検討で勉強になりました。

特に『少年法におけるパターナリズムと子どもの権利擁護の関係』という私が常々抱いていた疑問に対しての岡田先生の『そもそも少年法をパターナリズムだけで理解することを見直していくべきでは』というご意見で新しい視点が開けた気がします。

予め立場を明確にしておくと私自身は現状、少年法の適用年齢引下げは反対ですが、現状維持のままには疑問があり、地域社会での少年や若者支援の仕組み全体の根本的な見直しをしていくことを含めたうえでの議論であれば積極的にすべきという考えです。

田嶋先生もご指摘されていたとおり政治的な議論の組み立て方も意識していく必要があるでしょう。一方で渡邉さんが仰っていた通りこの議論の本質を政治的なものに寄せすぎてもいけないでしょう。

私自身、日頃から少年事件や少年院出身者の支援に関わっていて、少年法が18歳、19歳の年齢でモヤモヤしていて生きづらさを抱えた少年についてのひとつのセーフティーネットとして機能していることを日々実感しています。

これは裏を返せば地域社会にそうした少年たちの居場所がないことであり、もっと言えば地域社会や既存の福祉制度がそうした少年たちを目を背けて排除してきたきた結果であると考えています。

少年法の仕組みや枠組はとても良くできていて尊く思う反面、色々と無理が出てきたり、もともと曖昧だった部分の問題が顕在化してきていると思うのでそうした観点での議論ももっとしていく必要があるのでしょう。

私自身は福祉寄りの立場なので少年法や少年審判の枠組、制度設計よりも、その予防、あるいはアフターケアとしての地域社会の中でどのような持続可能な実践の仕組みを作っていくかがより関心が高いです。

先日行われた児童虐待対応のプレイベントとは対象的に今回は司法関係者の参加が多い反面、地域の関係者の参加が少なかったです。分断が生じてしまっている地域との関係づくりをひとつのミッションとして取り組んでいきたいと改めて思いました。

虐待防止学会等の準備の関係もありこちらの準備には全く助力できませんでしたが、企画準備に尽力された弁護士の皆さまお疲れさまでした。

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