マクロソーシャルワーク研究会

武蔵野大学の木下先生のご紹介で標記の研究会に参加してきました。

木下先生が日頃から指摘されていることですがソーシャルワークは本来ミクロ、メゾ、マクロの各実践の相互作用の中で行われるものだけれど、日本ではミクロレベルでの実践にとどまりメゾ・マクロレベルでの実践がほとんどできていないと思われます。

実際実習や社会福祉士会の基礎研修を見ても対人援助技術やケースワークにとどまり、メゾ・マクロでの実践の必要性自体が共有できていないように思います。

かく言う私自身も日々メゾ・マクロレベルでの実践を意識してはいるもののどのように実践していけば良いのかはわからず、結局ミクロレベルでの実践にとどまっている現状です。

研究会の中でも指摘がありましたが日本ではマクロソーシャルワークの領域を弁護士が公益活動として事実上担ってきた側面があると思います。

これは弁護士がそうした実践をしやすい立ち位置にあったのが影響していると思います。しかしながら、これらの取組はあくまで個々の弁護士の属人的な取組として行われてきていてソーシャルワークの観点からの理論的検証などはされないできました。

そして近年では法曹制度改革の影響を受けて弁護士の働き方にも変化が生じて、旧来のようなスタイルでマクロソーシャル的取組を行うのが困難になっってきています。

加えて弁護士の活動領域の多様化に伴い、弁護士間でも利害衝突が生じやすくなり弁護士や弁護士会の公益活動のあり方等についても見直しが求められる時期にきていると思われます。

こうした実情を踏まえて『弁護士のマクロソーシャル的実践』を理論的に検証、探求していけたら面白いなと思いました。