【講演】よこはま地域福祉研究センター「子ども・若者の育ちと自立を支えるフォーラム」

よこはま地域福祉研究センターさん主催のフォーラム「子ども・若者の育ちと自立を支える」の基調講演を務めさせて頂きました。登壇者は会場集合型のイベントだったため久々の出張。出張を伴う講演・研修は1日仕事になるから負担も大きいけれど、足を運ぶ手間をかけるというのはその地域の空気や地域の実践者の方々の想いを感じられて良いですね。
基調講演はいつもの調子でモヤモヤ。これだけたくさんの人が子どもの権利とか子どものアドボカシーと言っているけれどそれでも見過ごされる子ども・若者達の声。
子ども・若者の声を聞こうとするけれど聞けないのはなぜか、生き辛さのステレオタイプ化が進む中で見過ごされるようになる生きづらさとは、語りたくても語れない子ども・若者のつらさ、枠組を作っているのは子ども・若者ではなく僕たち大人の側。
自ら地域に見切りをつけて地域を渡り歩こうとする子ども・若者達。そんな彼ら、彼女らが居心地の良さを感じられる地域ってなんだろう。その前提として僕たちがそもそも生きやすい地域になっているのか考えてみてもいいんじゃない。そんなお話をさせていただきました。
その後は神奈川の様々な地域福祉・まちづくり実践のお話。みなさん、フィールドや経歴、やられていることやアプローチの手順はバラバラだけれど通底しているものは不思議と皆さん共通している。どの実践の話もとても興味深くて時間があればもっとじっくり聞きたかった。
国が公的責任を押し付ける文脈で都合よく使われる地域福祉は大嫌いだけれど、こうした各地域の人々のボトムアップの想いから行われている地域福祉・まちづくり実践は良いですね。
子ども・若者達の多様な声を聞くことが大事。そのためにも居場所の存在が重要。でもそれだけではだめで地域の様々なプレーヤーの声も同時に聞いていかないといけない。
居場所実践は地域福祉・まちづくりの視点が大事で子どもファーストの視点だけで進めようとしたらそれはいびつなものになる。
居場所は子ども・若者も主体となってつくりあげていくものであり、子ども・若者もまた地域福祉・まちづくりのプレーヤーのひとりなのだから。
地域福祉・まちづくり実践をされている方はもちろん子ども・若者の支援に携わっている方にとっても今回のフォーラムに向けて作成された「地域のみんなが元気になる活動事例集2021」は必見だと思います。
千葉でもちば子ども若者アフターケアネットワークという地域福祉・まちづくりに向けたプロジェクトが始まりました。今回のフォーラムで報告された各実践に刺激を受けながら僕たちは千葉でどのような地域福祉・まちづくりを目指していくか。地域福祉・まちづくりに紐付かない居場所の在り方というのも同時に考えてみたいなと思っている。