ちばアフターケア勉強会『社会的養護のアフターケアの歴史』

本日はちばアフターケア勉強会。久々のオフライン開催。青少年福祉センターでも働かれていて、憩いの家とも関わりのあった野村さんのお話。自立援助ホームや退所児童等アフターケア事業といったアフターケアに関する取組の歩みを当時の思い出話等も交えながらお話いただきました。
抽象的な制度論やテクニックでは収まらないアフターケアの本質であるケアの精神、専門職云々ではなくひとりの人としてその人の一生にどのように関わっていくことの大切さを再確認できました。
この数十年でアフターケアの取組は制度化・拡充されてきました。これ自体は喜ばしいことですが、最近では制度や仕組が先行して制度の背景や意義、アフターケアの本質みたいなものが薄れてしまっているようにも感じます。
 インケアあってのアフターケアであり、インケアをすっとばしてなんでもかんでも安易に自立援助ホームを作り、つなげ自立助長させればよいというものではないし、アフターケアはずっと続いていくものであり年齡や施設出身の有無、段階で機械的に区切れるものでもない。そしてどんなに制度が拡充していっても結局は制度ではなく人と人の関わりが大事になる。
若者たちのニーズの変化にも柔軟に対応しアフターケアの多様性を確保しつつケアの本質を見誤らない形で標準化を目指していくためにどうしていけばいいか。11月の虐待防止学会ではアフターケアの標準化をテーマとしたシンポジウムを開催予定ですが、こうしたアフターケアの歩みを踏まえた上で意義ある発表の場にしていきたいと思います。
憩いの家の故・広丘知彦さんに関する書籍も紹介。この領域で働く人にとってはバイブルと言われている書籍です。僕も学生時代にはじめて触れて以来、弁護士になってから、子どもシェルター立上げ時、児相で働くようになってからと節目節目で何度も読み返しています。20年以上前の書籍ですが、ここで書かれている若者たちの実情やそうした若者たちへの関わり、葛藤は今現在のアフターケアの現場で接するものとも共通することばかりです。本当に大事なことはずっと前から言われ続けているんだなと改めて感じます。
 
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