シブ5時「児童養護施設の退所者支援」を振り返って

今更ながら先日の生放送番組の録画を見れました。
我ながら凄い緊張しているなと思います笑。
初めての生放送というのに加えて当事者である子ども・若者たちや現場で日々奮闘されている施設等の支援者の方々の声を代弁しなければという意気込みもあったのでいつも以上に緊張しました。
裏話をしますと当初この依頼を頂いた時点での番組内容は実際に放送されたものとは大きく異なり、どちらかというと可愛そうな施設退所者の就職、進学を応援しますという感動ドラマ的な内容でした。
私は就職や進学は大事だけれどそれ以上に就職や進学も難しい、あるいは就職や進学をしてもドロップアウトしていってしまう子ども・若者達の現状や脆弱な制度の中で寝る間も惜しんで持ち出しで奮闘されている現場の支援者達の実情に関心を向けてほしいと訴えました。
番組の制作担当の方が理解ある方でこちらの意向も組んで頂き丁寧な取材を重ね、直前まで何度も台本を書き換えて頂き現在の内容となりました。
・自立を急がせるのではないひとりひとりのニーズにあわせた丁寧な選択と自己決定、トライ・アンド・エラーの保障
・困っていなくても関わり続けることができる伴走型の支援と地域とのつながりの中での支援
・民間のボランティア任せではない公の制度としての保障
正味10分程度の尺の中で、ただでさえ複雑でわかりにくいアフターケアの話を一般向けの番組としてのわかりやすさも意識しながら誤解がないようにまとめるのは大変苦心しましたが、最低限訴えたかったことはコメントさせて頂きました。わざわざ時間を多めに確保して自由にコメントする機会を用意して頂いた番組制作陣の方々に感謝です。これを機に今後ますますアフターケアが充実するとともに、インケアやケースワークがより良いものになっていってほしいです。
なお、余談になりますが今回どうしても訴えたかったけれど時間の都合から外したものとして社会的養護の網からこぼれ落ちてしまった子ども・若者達の問題があります。
社会的養護自立支援事業が整備されるなど社会的養護出身者に関する退所後支援は非常に充実してきました。一方で非行少年や長期の社会的入院状態にあった子ども、虐待が見過ごされたまま成人年齢を迎えた子ども・若者たちは施設出身者同様の困難な状況にあるにもかかわらずこうした支援制度の対象外だったりします。施設出身者の支援を強調しすぎることで施設出身者をスティグマ化させてしまう危険もありますし、最終的には施設出身者か否かに関わらず広く同年代の子ども・若者を支えていくような制度、仕組みが当たり前のものとしてできあがっていくことを願います。