日本子ども虐待防止学会ちば大会 企画シンポジウム『切れ目のない支援に向けて』

2年がかりで準備してきました日本子ども虐待防止学会ちば大会が開催されました。ご来場いただいた皆様ありがとうございました。私が担当させて頂いた企画シンポジウム『切れ目のない支援に向けて~18歳の自立を考える~』についても無事取り行うことができました。
福本啓介さん(社会的養護のアフターケア事業所あすなろサポートステーション所長)
永岡鉄平さん(株式会社フェアスタート・NPO法人フェアスタートサポート代表)
山岡功平さん(社会福祉法人ワーナーホーム長生地域生活支援センターセンター長)
渡邉正行さん(介護付有料老人ホームハートピア故郷苑施設長・更生保護協力雇用主)
を講師にお迎えしてアフターケア、一般就労支援、精神障害者支援、更生保護という異なる領域各々の立場から『18歳の自立』や『切れ目のない支援』についてお話して頂きました。
領域毎の視点や価値観の違いがはっきりと分かれる部分もあれば不思議と見ている景色や問題意識が共通している部分もあり私自身新たな気づきを得ることができました。他領域の実務や価値観に触れ議論を深める中で改めて自立支援の何たるかを考えるきっかけにつながったのではないでしょうか。
子ども虐待防止学会の学術集会のメインシンポジウムにも関わらずシンポジストに学識者がいない、社会的養護施設関係者もいない、テーマ自体も学会においては異端かつマイナーな内容にも関わらず200名に及ぶ方にご参加いただくことができてました。構成の都合上会場から直接お聞きすることができなかったのでご参加頂いた方はご感想を頂ければ幸いです。
今回の企画を考えた背景には日頃の実務の中で社会的養護という枠の中で漠然としたイメージの中で『18歳の自立』が考えられていないかという疑問を感じたこと、そして本来、自立にあたっては社会的養護から多種多様な領域につないでいくことになるのにそうした他領域との接点があまりに少ないのではないかと感じたことがあります。
また、虐待防止学会においても様々な立場の識者の研究発表が行われているものの各々の領域毎に分断されていて領域間に横串を刺して議論するような機会が不足しているのではないかと感じていました。
こうした問題意識から横断的な話をして頂ける学識者の方もなかなかいないということだったのでそれであれば自分で研究を始めてようと思い様々な分野に意識的に関わるようになり現在に至ります。
まだまだ研究というには程遠いとは思いますが、今回のシンポジウムの内容もいずれ論文としてまとめて発表していきたいと思いますし、また学会以外でも同様の趣旨の企画を実施していければと考えています。
講師を務めてくださった皆さま、ならびに会場に足を運んでくださった皆様本当にありがとうございました。

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