弁護士とソーシャルワーカーの協働を考える会主催のスピンオフ企画『子どもに関わる多職種ミーティング』。
司法、福祉、教育、医療、心理…子どもに関わる職種はたくさんいますが意外に隣接した職種が日頃どのような思いで仕事をしているのか、どのような課題意識があるのかよく知らなかったりします。
この会では日頃の業務の中で各々の職種の役割や限界等にモヤモヤした葛藤を抱えている支援者をごちゃまぜに集め安心安全な雰囲気の中で自由に語り合うことを目的とした会です。
今回も弁護士、ソーシャルワーカー、医師の他、少年鑑別所や児童心理治療施設、特別支援学校の方も参加されました。
今回、話題の中心にあがったのは『支援者の区切りはどこまで』かというもの。
支援者として関わる期間や枠組が比較的明確に定まっている司法や教育、心理職。その区切りは仕組上必要やむを得ないことだとわかっていて、だからこそその中でできるかぎりのことをしていきたいという想い。一方でその区切り自体の短さや区切りを越えた先の子どもの一生にまでどうしても想いを馳せてしまう葛藤。
これに対して一生関わり続けることを前提とした福祉職。その長い関わりの中での求められる専門性や関係性の変化にどう向き合っていくのか、ある種の支援者としてのエゴや抱え込み、燃え尽きのリスクとの中でどのように関わり続けるのかという葛藤。
切れ目ない支援を実現していくためには複数の支援者が重なり合いながら支援していくことが必要だけれどそれぞれの職種毎の構造やそこからくる想いの違いからすれ違ったりぶつかりあったりすることも多い。そしてそうした支援構造の中で子どもが翻弄されてしまう危険も。
そこから主体性に乏しく、失敗を恐れがちな昨今の子ども達の傾向の変化への指摘があり、その背景には子どもを取り巻く親や家族の安心感の欠如があるのではないかという話題に。
子育てが問題解決的にとらえられ正解ばかりが求められ、トライアンドエラーが許容されにくくなっている世の中。常に失敗をおそれながら子育てをしている親、イクメンとか良い子育てが囃し立てられるほどかえってプレッシャーで苦しくなってしまう親。
昔ながらの地域の支え手も衰退した中で、親自身の失敗に寛容で安心感を抱ける環境をどのようにつくりあげていけるか。
これは実は親だけではなく子どもを支援する専門職にも同様のことがいえるのではないか。専門職が子育てや子どもの支援に正解を求めすぎてはいないか。だからこそ専門職がモヤモヤを共有できて安心感を抱けるようにしていくことが大事ではないか。
今回も話が尽きることはなく終電ギリギリまで盛り上がりました。また今回も前回に引き続きグラフィックレコーダーの上園 海さんにグラレコをしていただきました。
今後も定期的にミーティングを継続開催していく予定です。自身の職種や職場内での役割、他機関との連携等にモヤモヤを感じられている方がいましたらお誘いしますのでお声掛けください。