【研修講師】千葉県児童福祉施設等基幹的職員研修「子どもの権利擁護について考える」

本日は千葉県内の児童養護施設等の基幹的職員(スーパーバイザー)研修の講師を務めさせて頂きました。研修のテーマは「子どもの権利擁護について考える」。

新しい社会的養育ビジョン等に前後して家庭養育や家庭的養育の重要性がうたわれるようになりました。その一方で施設養育の意義や専門性は何かという議論が取り残されてしまっているような印象を受けます。

施設養育は家庭養育や家庭的養育と比較して劣後するものなのか。否、施設養育には施設養育としての強みや専門性、大事にしてきた価値があるはず。施設養育における「権利擁護」「アドボカシー」とは何か考えていきたいと思いこの表題にしました。

既に報じられているように児童福祉法の18歳上限が撤廃されれば、施設の目的のひとつである自立支援の意義自体が問い直されていくでしょう。またトラウマケアや治療的養育が強調される中で福祉施設として目指すべきケアとは何か、ケアの根拠の再確認が必要ではないかとも思います。

措置期間中に子どもに関するあらゆる問題を解決して独り立ちできるように育て上げるのが施設の目指すケア、自立なのか。子どもにとっての実家、安全基地としての施設にはもっと大事な役割があるのではないか。

そんなことをグループワークもはさみながら職員さん達と意見交換させてお話させて頂きました。相談支援の職員とは違う生活感あふれるグループワークはとても想いにあふれていてほっこりしました。

やはり最も子ども達に近いところで奮闘されているケアの現場の人たちの声を聞き、サポートしていくことが僕のやりたかったことのひとつなんだと再確認。

そのうえで施設の現場の人たちにいつも伝えたいと思っていることを伝えて研修を終えました。ひとつは職員さん自身を大事にしてケアする人たちのケアもしっかりしてほしいこと。そしてもうひとつは色々な要因から大変な状況の中でも子ども達の育ちを見守って頂いてありがとうという感謝の言葉。

ありがたいことに次年度も特別区の研修でも施設現場の方向けにお話をする機会を頂いています。次年度は研修等を通じてよりたくさんの施設現場の声を聞き、声を届けることに注力していきたいです。

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