福祉職と法令遵守についてのモヤモヤ

先日の福祉職と法令遵守についての話の続き。
福祉現場ではもっと法令遵守が意識される必要があるとは思うのだけれど、極端な形で法令遵守を強調されすぎると色々弊害も生む。現場はとにかくミスをなくすためのマニュアル、運用、独自ルールが出来上がりとにかくそれを守るための事務作業ばかりが徹底されるようになる。果てはルールを守ること自体が人権擁護よりも優先されるようになってしまう。ソーシャルワークの醍醐味でもあるクリエイティビティさも失われ、やがてはやりがいも減退し離職につながるの悪循環。
施設等で厳しすぎるルールが…みたいに言われることがあるけれど、そうした事象が生じる背景のひとつでもある(もちろんそれ以外にも一件厳しすぎると思われるようなルールが必要とされる理由があったりするのだけれど)。何事も余裕と遊びココロって大事。
なぜそのルールが必要なのかというコンテクストが研修等を通じて常に周知・理解されていればいいけれどなかなかそうした体制整備も容易ではない。弁護士さんの研修でこうすればいいですよというアドバイスやモデルが示されることもあるけれど、正直それができれば苦労しないよ、まずはそのモデルを実践できるだけのヒト・モノ・カネをくださいという本音も少なくないのが現実。まぁそれでもできることからやっていくしかないんだけれどね。
福祉分野に関する法律整備が進み多機能化していくことは良いことだけれど、その結果法律は複雑化して、それに伴う規制や遵守事項も増えていく。それに伴いますますこの傾向は拡大していくと思う。中長期的にみればソーシャルワーカーの養成課程からの法教育の標準化とかを色々考えていかないといけないんだろうなぁ。ではそれまでの間どうすればいいか。弁護士がインハウスとして常駐できれば良いかもしれないけれど、児相への弁護士配置ですら担い手が問題となっている現状ではあまり現実味がない。配置される弁護士が必ずしも福祉に理解があったり現場にとって相性良いとも限らないしね。
諸外国等でもソーシャルワーカーと法との関係で同じような現象が生じているようなのでそうした議論を広いなあら考えていきたい。
とりあえず今からでもできそうなこととして考える会みたいな気軽な協働コミュニティをもっと広げてネットワーク化していきたい。