アフターケア事業全国ネットワーク『えんじゅ』2019年度研修

社会的養護のアフターケア事業全国組織「えんじゅ」の研修会参加のため彦根出張。

えんじゅも設立から2年目。加盟団体も増え、お互いに顔がよく見えるようになったこともありネットワークがより強固になってきたのを感じます。特定の地域に縛られず複数の都道府県をまたいで行動する傾向のある若者達を支援していくにあたりこうしたネットワークがとても大事になります。事業形態やベースとなった経歴等は様々でアフターケアの手法も様様ですがみなさんのアフターケアへの思いがとても暖かいのは共通してます。こんなつながりをもっと広げていきたい。
今回の研修1日目は性教育や障害者支援などに取り組まれている徳永桂子さんの『支援者の境界線』のお話。
アフターケアで関わる若者達はまだ虐待のケアの途中な人から、深刻な虐待を経験しながらもほとんど虐待のケアの機会がない人まで様々ですが、アフターケアとはいいつつも実際はインケアにかなり近いケアの関わりが求められます。ですが施設のような一定の支援枠組もない中で脆弱な予算体制のもと限られたスタッフでそうした関わりをしていくことは容易ではありません。
思いの強さから支援者としては不適切な近すぎる距離間で支援しようとしてしまったり、支援者自身の抱え込みによる燃え尽きが生じたり。支援者として適切な距離感を意識して関わることが支援者自身を守り、それがその人のためにもなる。
僕も対人援助をするうえで距離感はかなり気を使っているつもりでしたがそれでもまだまだ意識が足りないなと思いました。なかなか支援の現場では理想通りの距離感を貫くことが難しい場面も少なくないですが改めて意識していこうと思いました。
研修2日目は佐賀県のNPOSSFの谷口仁史さんのアウトリーチをはじめとした子ども・若者支援の仕組みづくりのお話。谷口さんの話はいろいろなところでお聞きすることがあり是非いちど直接お話聞いてみたいと思っていました。
子ども・若者と関わるうえでまず徹底的に子ども・若者の価値観をリサーチして シンクロさせていくこと等は僕も日頃から大事にしていることなのでとても共感しました。
また子ども・若者を支援する制度や仕組みがたくさんあるけれど乱立しすぎて溝が生じていたり、連携のための各種会議が形骸化してかえって負担になっていること、自主事業としてすすめていた取組が制度化した途端、センスのないダメダメなものになってしまうことの悩みなど、そうそうと思う話ばかり。そして谷口さんはそうした問題を単に思いだけでなくきちんと共通指標となるエビデンスや科学的な根拠に基づく実践を展開して仕組みにまでしていること。これから僕自身、何を目座していくべきか大きな気づきを得られたと思います。

そして研修のアフターは名古屋に立ち寄り本業の方の『おしごと』。

とても濃密な2日間でした。この2日間でたくさんの人の『アフターケア』への思いを感じ取りました。そうした思いをもとに、2日後に私のありったけの『アフターケア』への思いを話したいと思います。

写真の説明はありません。